東京ビックサイトで開催されていたジャパンモビリティーショー2023は、11月5日に閉幕を迎え、同イベントには約111万人が来場しました。今回、日本RV協会は初めて出展したことでも話題となり、多くの方にキャンピングカーの魅力を感じていただいた絶好の機会だったかと思います。
そこで今週の特集は、日本RV協会 副会長 高橋さんと、事務局スタッフ関口さんに、今回のジャパンモビリティショーとのコラボレーションについて、そして業界の未来についてのお話を伺いました。
車中泊がもたらす未来への可能性
■今回の出展を通して、キャンピングカー業界がもつ可能性は感じられましたか?
高橋
キャンピングカーに興味がない人達が認知してくれるきっかけとなりましたね。
ご来場されている一般のお客様が、値段や車の装備を見て「これくらいの値段の車なら買えるね」とお話をされていたことも印象的でした。モビリティショーではSNSに写真を掲載してくださるお客様方が多いですから、今後、色々な所から反響がくるのではないでしょうか。
また、様々な展示を見る中で業界として「防災拠点にRVパークを利用すること」をテーマに、東京が防災にどう備えていくのか考えるきっかけとなりました。多くの方にも、今回の出展を通して“一軒の家と同じ”という認識が広まったかと思います。移動できる家としての使い方として意識されてきたのではないでしょうか。
■今後、RVパーク拠点の文化発展のためにどのような戦略・普及を目指していますか?
高橋
道の駅の法整備を進行してもらうことですね。そして、色々な地方自治体がもっている土地を開放してもらう努力をしていかなくてはいけないと思っています。
特に公園は防災拠点となっていますが、法律で自動車の乗り入れを禁止している所も多いです。ここの法律が少し変わるだけで、RVパークのような収益を得られる仕組みつくりをしていけるのではないかと考えています。電源があり、宿泊することもできるような公園。防災と合わせた進め方を今後していけるといいですね。
■インバウンドで外国人が増えていますがRVパークの利用はどうですか?
高橋
もちろん利用される方もいます。空港や駅に近いレンタル会社が貸し出しを行っていますが、圧倒的に車の台数が足りないという問題もあります。また言語対応できる所が少ないといということも問題に上がっています。今後、大阪万博もありますし、これを契機にもっと観光客は増えることが予想されますから、レンタルキャンピングカー事業ともコミュニケーションをとって連携していくことが大切ですね。
RVパークが地域活性化の手助けに
■まず、RVパーク開設のメリットはなんでしょうか?
関口
建物を建てずに気軽に開設できるところが良いところだと思います。
温泉やレストランなど、普段使用しない駐車場をRVパークとして有効活用することで併設している店舗にも利益を出すことができていると聞いております。
■RVパーク.jpという予約機能をメインとしたRVパーク専用予約サイトがはじまりましたがその後の反響どうですか?
関口
施設様からの予約サイトが欲しいという声で開発したものになりますので、まってました、というお声も多いです。我々は施設運営をしている者ではないので、知見不足の部分もありましたが、施設の方々と積極的にコミュニケーションをとりながら、使いやすいものにどんどん改良していきたいと考えております。
RVパーク.jpサイト設置のコンセプトは「気軽にRVパークを使おう」という所から始まっていますので、今後はWEB予約できる施設数を増やし、ユーザーが泊まりたい時に気軽に予約してもらえるようなサイトにしていきたいと考えております。そうしたことがRVパークの利用の活性化につながると考えております。
特集ページでもたくさんのRVパークを掲載していますので今まで知らなかった施設や新しいパークを探すきっかけとしても使用してほしいと思います。
■今後のRVパークの普及・啓蒙としてどのような活動を予定されていますか?
関口
施設数を増やすのはもちろん、施設の稼働率を上げていきたいです。
キャンピングカーユーザーのお話を聞くと道の駅やSAPAで寝泊まりする人が多いというのも事実です。また、キャンピングカーショーに訪れたお客様から「RVパークってなに?」と尋ねられることもまだあるのが実情です。まずは認知度を上げていき、協会内の他部署とも連携しながら、インバウンド、レンタル、一般車による車中泊のお客様等、新しいRVパークユーザーも増やしていきたいと考えております。