RVPARK

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キャンピングカーとともに歩んだ23年の歴史。
特別な思い出として受け継がれるクルマ。

投稿者:松本周己(しう@SOTO)
投稿日:2019/05/22
  • キャンピングカー
2005年からキャンピングカーで生活しております、松本 周己(ちかこ)と申します。
はじめましての方は、RVパークコラム【両親が選んだ、キャンピングカーという旅のスタイル】をご一読いただければ幸いです。


我が家のキャンピングカーは、父が定年退職を前に一念発起して購入したカナダ製のクラスC、Rocky21(1997年製)。当時、父が出張などの合間を利用して北は仙台から南は鹿児島まで(自宅は熊本)、キャンピングカーショーに足しげく通って選び抜いた1台です。大阪のディーラーから取り寄せました。
早いもので今年で23年目に突入し、そのぶん思い出もたくさん詰まっています。
 
キャンピングカーが我が家にやってきた頃、わたし自身は東京に住んでいました。もともとアウトドア好きな父に連れられて海や山に親しんでいたので、父がキャンピングカーを手に入れたことは我が事のように嬉しく、また期待もしました。内心「いずれ譲ってもらおう」という魂胆があったことはミエミエで、今や完全に自分のものにしてしまったのですから我ながら恐ろしい(笑)。
 
冗談はさておき、キャンピングカーの到着を喜んでいたのは当人だけではなく、親戚もまた同じでした。叔父は「俺にも運転させてくれ」とウキウキしながら来たものの、Rocky21を見るや「こんなに大きいとは思わなかった!」と断念。ぶつけでもしたら大変と思ったようです。未だに「お前はよくアレを運転するな」と感心されます。(わたしも何度もぶつけていますが)
 
親戚の子ども達も大はしゃぎでベッドを飛び跳ねるなどして、うちの母から怒られたそうです。無理もない、ただドライブするだけでも楽しい年頃なのにキャンピングカーで、とくればはしゃぐなという方が酷です。
親戚家族と北海道で待ち合わせて一緒にキャンプしたり、根室でたらふくカニを食べた話など、20年近く経った今でも語りぐさとなっています。
 
わたしも年2回ほど、帰省した際に天草や阿蘇に乗せて行ってもらいました。
当時はフェレットというイタチ科の動物を飼っており旅行へも一緒に連れて行っていたのですが、ペット可の宿泊施設は少ない上に割高だったので苦労していました。
その点、キャンピングカーなら問題ありません。まぁ両親の世代にとっては「イタチ」というだけで拒絶反応があり、車内でもケージから出すなという条件がつきましたが… トイレトレーニングはできていたので、バンクベッドで一緒に寝ちゃいました。
 
人数が増えれば個々の都合も多様になり、時には意見がぶつかる事もあります。それはヒト同士だけではなくペットでも同じです。
Rocky21と共に我が家にやってきた愛犬マリリンも両親に厳しく「車内ではトイレをしない」と躾けられていましたが、それはそれでトイレ休憩のために何度も散歩しなければならないという両親にとっての面倒ごとが増える結果となります。そんな、ある意味「持ちつ持たれつ」が円満なキャンピングカーライフの基本なのです。
 
たまに三世代でキャンピングカー旅行をしている方を見かけますが、本当に頭が下がります。それぞれライフスタイルが違っていたり、趣味や興味の対象が違ったり、身内であれまとめるのは大変でしょう。
 
ただし人数が多くなれば役割分担ができて、ラクになる部分もあります。一緒に料理を作ったり、たまにはテントを立てたり外でバーベキューをしたり、トラブルがあったとしても後には楽しい思い出になるものです。わたしが子どもだった頃の家族旅行を思い返すと、その当時は腹立たしかった事も今では懐かしく感じます。


父もついに今年、数えで傘寿(80歳)と相成りました。10年前に脳梗塞で倒れ、傍目にはそれとは分からないくらいに回復したものの大型キャンピングカーの運転には不安があり、今やRocky21を運転するのはわたしだけです。
 
たまに父と小旅行に出かけたりしますが、父との二人旅は、正直に言えばけっこうしんどい。当たり前ですが自分ひとりであれば勝手気ままに生活できるのに、父が一緒だとそうはいきません。
まず生活サイクルがまるで違います。夜型のわたしに対して、父は早寝早起き。朝は夜明けとともに起きるので、眠りが浅いわたしは必ず目が覚めてしまいます。
 
テレビをつけるのも自宅のようにはいきません。サブバッテリーのスイッチを入れて、電波を設定しなくてはいけません。食事の用意も、停泊場所や入浴施設の情報収集も、数日に渡ればコインランドリーも、愛犬の散歩も、もちろん運転も、そして時には仕事もしなくてはなりません。父は「気にしなくていい」とは言うけれど、キャンピングカーを「借りている」立場としては「これくらい、やらなくては」という気がしてしまうのです。
 
仕方がない、これも親孝行…と自分に言い聞かせるものの、日々ストレスが溜まって語尾が荒くなることもしばしば。
そんな時、子どもの頃を思い出します。家族でドライブ中に、後部席で兄とふざけたりして怒られていました。
 
「子ども叱るな来た道だもの 年寄り笑うな行く道だもの———」
 
従姉妹の子どもを乗せて北海道旅行をするに至り、時間の流れをしみじみと感じます。
もう何年かすると、その従姉妹の子どもが子どもを連れて「キャンピングカーに乗せて♪」と言う日が来るかも知れません。そうしたら、その子に「昔、お母さんも子どもの頃に乗せてもらったんだよ」なんて語ってくれるかな。
 
もし宝くじに当選したとしても、我が家のキャンピングカーは買い替えずにレストアしながら、これからも共に歴史を刻んでいきたいと思っています。
Rocky21は、わたしにとって「家」と同じです。柱の傷は一昨年の…、壁のシミも…って、それは張り替えよう(笑)



歳を追うごとにメンテナンスが必要になるのはヒトもクルマも同じこと。お互いにトシをとったねぇ、なんて思いながら、いつまで旅暮らしできるのか分からないけれど、愛着たっぷりのキャンピングカーRocky21に「今日もよろしくね」と語りかけます。
 
見知らぬ子どもが「キャンピングカーだ!」と叫んで手を振る。わたしも手を振る。
夢いっぱいのキャンピングカー。たくさんの笑顔が、いつの日にもありますように。